天野理事長ブログ&スケジュール

2015.11.05

第7回国際性差医学医療学会に参加して

東京女子医科大学東医療センター性差医療部 准教授 片井 みゆき先生の寄稿です。

この秋は3度目のベルリン来訪となりました。先月9/20-23に開催された国際性差医学会に参加するためです。

 

2006年に第1回国際性差医学会が開催されたのもベルリンで、今回は同地で3回目の開催となりました。9/20-21がIGM (7th International Congress for Gender Medicine)、 22-23がGIM(International Congress of Gender Medicine)で、性差医学研究を国際的にリードしているフンボルト大学シャリティー性差医学研究所Vera Regitz-Zagrosek教授(http://gender.charite.de/)の主催でした。

 

今回は会期があいにく日本心臓病学会と重なってしまったため、日本性差医学医療学会の下川宏明理事長、NAHWの天野恵子理事長など主要な先生方がご参加できず、日本からの参加者は東京医科歯科大難治疾患研究所の黒川洵子先生、東京女子医科大学学生健康センターの横田仁子先生と私の3人となりました。国際結婚され、現在スウェーデン在住の竹尾愛理先生と思いがけず現地で再会し、日本人参加者は計4人となりました。

 

前半のIGMは世界各国の性差医学研究者が一堂に集まり、それぞれの専門分野のプレゼンテーションを行いました。

コーヒーブレーク、立食ランチ、ディナーパーティーが効果的に配置され、活発な情報交換及び交流を深める機会となっていました。また、会期後半のGIMはサブテーマyoung meets expertsでしたが、その名の通り、年若い研究者や大学院生達がヨーロッパ各地から参集し、平均年齢が一気に下がり会場が若い熱気に包まれました。ヨーロッパ諸国では医学教育へ性差医学の導入が進んでいますが、若い世代が性差に関する基礎医学研究を積極的に行い、多数の発表がされているのがとても印象的でした。

 

また、国内外の性差医学会の特徴的な点は、世界の一流の研究者とface to faceで親しくお話しできる点です。

世界の多くの方々が口にされていましたが、他の所属学会(特に循環器や糖尿病の分野など)の国際学会はHuge(巨大)になりすぎて、交流が希薄になりがちな傾向もあります。一方、国際性差医学会は国や世代、専門分野を超え、性差という視点から、アットホームな雰囲気で親しく活発な会話やディスカッションが出来て、とても楽しく実りのある時間を共有できました。

 

今回の貴重な経験を、これからの診療や研究、教育へ活かして行きたいと、希望に満ち溢れる思いで帰国いたしました。次回の国際性差医学会の開催地は検討中ですが、2年後に開催される予定です。性差医学に興味のある医療者や研究者の皆様、是非ご一緒に参加しましょう!

 

東京女子医科大学東医療センター性差医療部 准教授 片井 みゆき

http://www.twmu.ac.jp/DNH/department/genderbased/index.html

 

【写真上】

向かって左から、黒川洵子先生、Vera Regitz-Zagrosek教授、片井みゆき、横田仁子先生。

【写真下】

竹尾愛理先生と久々のうれしい再会。

片井先生1片井先生2

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