2015.08.27
日焼け止めの使い方
天野理事長の寄稿です。
前回、日焼け止めのSPF、PAについての話をしました。
PAとSPFは化粧品を1平方センチメートル当たり2mgずつ皮膚に塗ったときの値となります。
日焼け止めに配合されている成分は、大きく分けて「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2種類に分類されますが、紫外線散乱剤は酸化チタンや酸化亜鉛といった鉱物由来のもが多く、紫外線吸収剤は合成化合物が多くなっています。
紫外線吸収剤は、紫外線のエネルギーを吸収する際に分子構造が破壊されることがあり、破壊による生成物がアレルギー反応や炎症を起こすなどの可能性があります。
散乱剤は肌の乾燥を招くことがあります。
日焼け止めは、エイジングケアのために欠かせないものです。ただし、PAやSPFの高い日焼け止めは、紫外線に対する効果は大きい反面、皮膚への負担も大きくなります。
以下に、賢い日焼け止めの使い方をまとめてみました。
1.個人のスキンタイプに応じて使いましょう
個人のスキンタイプは、6段階に分けられます。
日本人はおおよそスキンタイプⅡ~Ⅳにあたります。皮膚がんになりやすいのは、スキンタイプⅠ、Ⅱに属する色の白い人です。
フォトスキンタイプ別の紫外線への反応
I 常に赤くなり、決して皮膚色が濃くならない
II 常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる
III 時々赤くなり、必ず皮膚色が濃くなる
IV 決して赤くならず、必ず皮膚色が濃くなる
V 皮膚色がとても濃い
VI 黒人
2.外出時間などに応じて適切な強さのクリームを使用しましょう
サンスクリーン剤使用のめやす
日常生活 SPF 5 PA+ サンバーン、光老化予防
軽い屋外活動、ドライブなど SPF10 PA++ サンバーン、光老化予防、耐水性のあるもの
晴天下のスポーツ、海水浴など SPF 20 PA +++ サンバーン、光老化予防、耐水性のあるもの
熱帯地方での屋外活動 SPF 30以上 PA ++++ サンバーン、光老化予防、耐水性のあるもの
(参考文献:公益財団法人日本皮膚科学会)
PAやSPFの高い日焼け止めは海水浴や、山登り、屋外でのスポーツなどの場合のみに使用し、日常生活で光老化を避けるため位ならさほど強いものは必要ありません。
3.肌にむらなくのばし、適切な量を使用しましょう
SPFやPAという値は、サンスクリーン剤を1cm2あたり2mg塗って調べた値です。
正しい使い方としては、顔ですと真珠の球2個分くらいを全体にのばします。
塗ったら白すぎると言って、薄く塗りすぎてしまうと本来の効果は期待できません。
4.こまめに塗りなおしましょう
水泳や、汗で流れたり、顔を触ることで、日焼け止めが剥げ落ちてしまったりすることもあります。ですので、スポーツ用途に適した耐水性の高い日焼け止めも出ています。しかし、その場合は、夜にはキチンと専用のクレンジングで洗い流すことが大切です。
5.出かける30分以上前に使用しましょう
日焼け止めは、通常塗ってから30分程度たたないと十分な効力を発揮しません。
外出直前に塗るのではなく、外出の少し前に塗って置いてください。