天野理事長ブログ&スケジュール

2015.05.07

めまいと漢方②

漢方では、「気、血、水」という考えがあります。

漢方では、「気、血、水」という考えがあります。

 

気は、元気の気、気力の気、生体をめぐっているエネルギーです。このエネルギーは、全身を巡ってさまざまな働きをします。気には、生まれたときに持っている先天の気と、食事や呼吸で作られる後天の気があります。先天の気は加齢と共に減少していきます。

 

血は、血液とその働きを指します。血液の分布の偏りや、働きの異常から2つの状況に分かれます。①血虚:血が不足している状態を指します。生理や消化管からの出血など、血の消費量が多い、血が体外にもれ出ている、必要な血の生成ができていないといった状況から起こる状態です。②瘀血:血の滞り。滞った血は働かないだけでなく、害になります。打撲も瘀血の1種とみなします。

 

水はリンパ液や細胞・組織間の水を指しています。その水のバランスが崩れた状態を水毒といい、過剰型と不足型があります。ほとんどは過剰型(水滞)です。水の偏りが起こる水滞は、場所によって(頭から足までの高さによって)色々な症状を起こします。

 

東洋医学では、めまいの原因は、血虚(血液の循環障害)と水毒(リンパ液や組織間液の滞り)と考え、血虚、水毒を散らして循環を良くする漢方を使います。

代表的な漢方としては、苓桂朮甘湯(りゅうけいじゅつかんとう)、真武湯(しんぶとう)、半夏白朮天麻湯(はんげはくじゅつてんまとう)、五苓散(ごれいさん)があります。

 

【めまいに効く漢方1】

苓桂朮甘湯:起立性めまい、起立性低血圧に使います。

静かにしているとなんともないのに、動くとクラクラするめまいや、立ちくらみがして、胃の中でピチャピチャと水の音がする(胃内停水といいます)時は、苓桂朮甘湯がよいでしょう。苓桂朮甘湯はメニエル病にも有効です。

 

【めまいに効く漢方2】

真武湯:ふらっとする・くらっとする、雲の上を歩いているようなフワフワしためまい、まっすぐ歩こうと思ってもなんとなく脇のほうに寄ってしまう、目の前がすっと動いて見えるなどとお話しすることが多いです。新陳代謝が低下して、全身の冷えがあり、全身倦怠感を伴う人に用います。

 

【めまいに効く漢方3】

半夏白朮天麻湯:平素より胃腸虚弱で、頭痛、嘔吐、倦怠感などのある、虚弱者に用います。食後に倦怠感や、眠気を訴えることがあります。

 

【めまいに効く漢方4】

五苓散:水毒の代表的な治療薬です。頭が重く、胃内停水が目立ち、回転性めまいがあるというときに使います。

 

なお、閉経後のホルモンバランスが乱れることによって起こるめまいに対しては、当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸が有効です。

 

ただし、いくら漢方がめまいに良いといっても漢方治療の前に、まずはめまいの起こらないような生活を送ることが大切です。

 

食事では水分や塩分を控えめにし、カフェインやアルコールを取りすぎず、ストレスをためず、睡眠をしっかりとってください。

エステ

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