天野理事長ブログ&スケジュール

2014.10.20

コウホネ、をご存知でしょうか。

我が家から徒歩圏内に、石神井公園があります。園内には、石神井池、三宝寺池があり、井の頭池、善福寺池とならび、武蔵野三大湧水池として知られています。

我が家から徒歩圏内に、石神井公園があります。園内には、石神井池、三宝寺池があり、井の頭池、善福寺池とならび、武蔵野三大湧水池として知られています。

 

三宝寺池には、浮島(中ノ島)を中心に、氷河期から遺存してきたといわれる湿生地特有の植物、ミツガシワ、カキツバタ、コウホネ、ハンゲショウなどが見られ、これらは、三宝寺池沼沢植物群落として昭和10年に天然記念物に指定されています。

ちなみに、1996年には「三宝寺池の鳥と水と樹々の音」が、環境庁選定の「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。

 

私は、昨年8月、愛犬さちが亡くなるまで、14年間、毎週石神井公園にさちと散歩に行っておりました。四季折々の三宝寺池の眺めは、それは素晴らしくて、とても東京23区内の光景とは思えません。池の周囲の木道は気持ちよく管理されており、足にも優しいのです。散歩の途中、年々コウホネの群生池が少しずつ広がっていくのを楽しみにしていました。

 

コウホネはスイレン科に属し、北海道から九州に分布し、池や沼、小川などやや浅い水中に生育する水草で、5月ごろから11月ごろまで黄色のかわいらしい花を見ることができます。

 

私が漢方の勉強を始めたのは、平成14年、今から12年前ですが、最初にその効き目にびっくりしたのが、頭痛に効く呉朱萸湯(ゴシュユトウ)と打撲・骨折に効く治打撲一方(ジダボクイッポウ)でした。

治打撲一方の構成生薬はケイヒ(シナモンの樹皮)、センキュウ(セリ科の植物の根茎)、センコツ(コウホネの根茎)、ボクソク(クヌギの樹皮)、カンゾウ(マメ科の植物で根)、ダイオウ(タデ科の植物の根茎)、チョウジ(丁子のつぼみ)です。打撲・捻挫・骨折時の痛みに見事に効きますので、登山やハイキングの際には必需品ですね。

 

コウホネの名前の由来は、泥の中に太く、長く伸びて節があり、折ると内部は海綿質で白く動物の骨に似ているところから、川または河の中にある骨(川骨または河骨;センコツまたはコウホネ)と呼ばれるようになったようです。作用は、臓器の平滑筋を少量では収縮、大量では抑制するように働きます。産前、産後の出血や瘀血(おけつ)にも使います。

 

実は、コウホネをサンクトペテルブルグの「ピヨートル大帝夏の別荘」でも見ました。

日本では、コウホネ、ヒメコウホネ、ネムロコウホネ、オグラコウホネの4種類が知られていますが、それと同じ種類かどうかは分かりません。でも、これは縁起がいいとひとり喜んだ私です。なぜなら、コウホネの花ことばは「崇高・秘められた愛情」なのです。素敵ですね。

 

(石神井公園 三宝寺池)

shakujii08

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