[報告]第6回 性差医療情報ネットワーク(NAHW) 九州支部セミナー

2015/12/06

  • 九州
  • 市民公開講座・研究会

[報告]第6回 性差医療情報ネットワーク(NAHW) 九州支部セミナー

テーマ:骨の健康から全身管理を考える
日 時:2015年5月30日(土)
場 所:熊本市医師会館(2階研修室)
講演①:女性の動脈硬化~LDL高値よりリノール酸高値がリスク~
医療法人エコークリニック院長 田中裕幸先生
講演②:性ホルモンと循環器疾患 
大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学 中川幹子先生
講演③:健康寿命延伸を目指した骨粗鬆症診療~生活習慣病との関わり~ 
島根大学医学部付属病院内分泌代謝内科
共 催:第一三共株式会社

NAHW九州支部は、今年で6年目を迎えます。はじめは当番世話人が持ち回りで各地域でセミナーを開催してきましたが、集客、アクセスを考え、この3回は続けて熊本で開催しています。第6回のセミナーは27530日土曜日に開催され、春日クリニックの清田が当番世話人を務めました。

骨関連疾患は性差が著しく女性の健康寿命を著しく損ないます。今回はその骨に焦点を当てながら“骨の健康から全身疾患を考える”というテーマに致しました。例年同様、世話人が行う教育講演2題と、ゲストをお招きして特別講演1題を企画しました。

(プログラム)

Dr_Tanaka

教育講演①

 田中裕幸先生には「女性の動脈硬化~LDLよりリノール酸がリスク」と題して御講演いただきました。先生の豊富な臨床データーや頸動脈エコーの所見を供覧しつつ、女性の好む食習慣に問題が多いこと、食事の大切さを力説されました。ご講演の一部は201562日の“性差医療コラム”に投稿されておられます。先生のHPもリノール酸関連の情報が満載ですので是非ご覧くださいませ。

Dr_Nakagawa

教育講演②

中川幹子先生はまず、性差医学・医療の歴史について簡単に紹介され、次いで、性ホルモンと関連した循環器疾患(不整脈、虚血性心疾患、心不全)について解説されました。

性ホルモン環境が大きく変わる3つの時期、すなわち①思春期、②女性の性周期や妊娠・出産、③閉経後の高齢期に分けて、各病態に対する性ホルモンの影響を、ご自身のデーターを混じえてわかりやすく紹介されました。最後に骨粗鬆症と大動脈石灰化の関係にも触れられ、特に女性においては、ライフステージに応じたきめ細かい対応が必要であることを強調されました。

Dr_Yamauchi

特別講演

島根大学第一内科准教授、山内美香先生は、生活習慣病と骨粗鬆症の関係の講演で、全国を飛び回っておられるオピニオンリーダーのおひとりです。先生には「健康寿命延伸を目指した骨粗鬆症診療~生活習慣病との関わり~」と題して、内科の視点での骨粗鬆症の関わりの重要性をお話しいただきました。骨粗鬆症は、整形、婦人科、内科と他科にまたがる疾患概念で超高齢社会に突入した日本ではその重要性がクローズアップされてきています。2015年の骨粗鬆症ガイドラインの変更点も視野に入れて、内科がかかわる骨粗鬆症の診断、治療のポイントをわかりやすく解説いただきました。骨、筋肉疾患に早期介入のできる立ち位置である女性外来の役割の大切さを痛感致しました。

All

今回も参加者は74名(医師31名)で盛会のうちに会を終えました。28年の当番世話人は田中先生で熊本での開催予定ですでに順調に準備が進んでおります。29年は嘉川先生が当番世話人で、鹿児島を予定しております。例年、梅雨前の5月に開催しております。プログラムが決まり次第、早めにHP上でご案内致します。初夏の日差しまぶしいい自然豊かな九州まで足を延ばされませんか。世話人一同心よりお待ちいたしております。

All_2

 (文責、清田真由美)

 

 

Copyright © 2014 Japan NAHW Network. All Rights Reserved.