天野理事長ブログ&スケジュール

2020.12.10

A hero lies in you !

社会医療法人財団大樹会 総合病院回生病院 女性漢方外来・ペインクリニックの野萱純子先生の投稿です。

ガッツポーズする子ども

今年も残すところ1ヶ月、きっといつまでもあの年として思い出す年になるのではないかと思っています。同じお気持ちの方も多いのではないでしょうか?

忌々しいウイルスが人々の命と社会システムを脅かしている中、ボンヤリの私も何かに向き合わなくてはならないような気持ちになっています。

私の仕事の表面に現れたちょっとした変化と、私の頭の中の大きな変化についてお伝えしたいと思います。

 

まず、仕事の方、

1、女性漢方外来、12年目になりました

院内外の紹介も少し増加。漢方やペインクリニックの後継者を探しているのですが今のところ具体的にならず。院内の外科、形成外科、循環器科の若手女性医師を誘って、分野拡張できたらと思っています。

コロナ対策として電話診療を導入。最初は情報が不十分なことを心配していましたが、声でわかる事多いですね。漢方の聞診の一つですけれど、視覚情報のない時はまた違う気がします。声診というのもあるなと再発見しました。時間の余裕のない方には大変好評ですし、状態の悪い患者さんは負担をかけずに頻回に情報収集できるのもメリット、問題は意外に時間がかかる事、事務方に負担が大きい事です。それと、電話のはずが来てしまう方も結構あって、やはり直接コンタクトの方が良いという声も多いです。

 

2、医療安全対策室長になった事、大失敗と思う一方これも勉強かなと。

自分の仕事の範囲だけで手一杯なのに、麻酔科医(週一回麻酔しています)として具体的な問題を感じているところだったので、引き受けてしまいました。その問題も数ヶ月かかってようやくちょっと前進。小さなプライベートの総合病院でも何かを変えようとするとエネルギーがいるものですね。これ以外の方法はないだろうと思う事でもよく考えるとまた違った道があったり、患者の安全のためという目標は共通でも具体的な対策になると何が最適なのか見えにくかったり。これまで極力避けてきた事に向き合わなくてはならなくなっています。

改めて思うのは、ルールを作るのはスタートライン、実際の動きを効果的なものにしてゆくのは一人一人の視野の広さにかかってくるという事。自分自身を含め、皆で広い情報と知恵が共有されてゆくようにと思っています。

 

3、訪問診療と病院勤務の相乗効果

訪問診療クリニックに週一回勤務し始めて6年経ちました。

それぞれの患者さんを取り巻く状況が様々過ぎて、経験を積んだからといって何も見えないなとずっと思っていたのですが、石の上にも何年なのか、少し余裕が出てきたのかもしれません。病院で緩和ケアチームとして活動する時、外来患者さんから相談される時、自分の言葉に何か自信のようなものが感じられるようになりました。開き直りかもしれませんが。

 

4、123sonographyのディプロマを取得

心エコーは、心臓麻酔をしていた若い頃のTEE以後あまり縁はなかったのですが、在宅を始めて心機能をちょっと確認できたらいいのにと思ったり、高齢者の全身麻酔が多くなって侵襲性なく水分や循環の情報が欲しいなと思うようになったりして、ちょっと値段は高かったのですが、123sonographyのWEBセミナーで勉強しました。とても良い内容で、エコーの勉強をしたい向きにはオススメです。心臓以外にもいろいろコースがありますが、心エコーの中級コースのディプロマをもらって嬉しがっています。全身麻酔中にTTEをしてみるのですが、陽圧換気で肺が邪魔をしてもどかしくて、背側からできないかなと今実験中。

今年還暦を迎え脳はもう新しいものに適応できないだろうと思っていましたが、まだもう少しできるかなと思っています。

 

頭の中の大きな?変化

変化なのか、もともとわかっていた事の曖昧さがなくなっただけなのか、よくわからないのですが、物事の見え方が変わった気がしています。コロナのせいでしょうか?

15年ほど前からテレビと新聞を見なくなって、すっきりしたと思っていました。何となく変だなと思う情報の手に負えなさから逃げていたのです。結局自分の知性の質が低いということだったわけで、もう人生の後半に入って何が正しいか判断できないとは恥ずかしい限りです。信頼できる情報源(このNAHWもそうです)に限ってアクセスしていれば良しと思っていたのですが、これからはなんとか曇りのない目で広く世界を見ていきたいと思っています。

数日前から、時の人Sidney Powellさんの”Licensed to Lie”を読んでいます。

お読みになった方も多いでしょうか。医学書以外の英語は私には難しいのですが、さすがに文章がストレートで力強く、なんとか読み通してみたいです。何が正義なのか法律に照らして判断するにしても、その基盤は一人一人の偏りのない知性だという事を納得させてくれる著作だと思います。

これからの世の中がどのように変わろうと、自分の属するコミュニティーを大切にする、他のコミュニティーも自分のものと同じように尊重し侵害しないという原則は揺るがない。数字やコストで測れないものが支えている人の世が、末長く自由で明るく豊かなものであるように、自分の行動に正しく舵が切れるようにと願っています。

 

 

最後に、1日も早く日々が安心できるものになりますよう。

私の居る地域でもコロナは拡大しています。昨日は香川大学の授業もオンラインとなったと連絡があり、数日後に誰もいない教室で一人話さなくてはなりません。発熱外来の順番も回ってきます。落ち着いて自分の仕事に対して忠実に地道に闘ってゆきたいと思います。

皆様もどうぞお体を大切に。

心よりご健闘をお祈りしています。

 

—————————–

回生病院 女性漢方外来・ペインクリニック科HP(野萱純子先生の紹介あり)はこちら↓

https://www.kaisei.or.jp/patient/outpatient/department/lady’s/

 

Copyright © 2014 Japan NAHW Network. All Rights Reserved.