天野理事長ブログ&スケジュール

2020.09.26

「台風10号(海神)接近中」

鹿児島県鹿児島市 腎愛会上山病院内科部長 嘉川亜希子先生の投稿です。

荒波

今日は2020年9月6日日曜日。時刻は13時半過ぎ。場所は鹿児島市内のとある透析室。

台風10号(海神:ハイシェンという名前がまた凄くて)による警戒レベル4、直ちに避難の緊急速報アラーム音が鳴り響く中この原稿を書いています。

 

春から続く新型コロナ感染症で落ち着かない日々を過ごしているのに加え、史上最大級台風に直面するなんて(夕方から暴風域に入るので、この史上最大級がどんなものかはまだ体験していません)、2020の年明けには想像もしていませんでした。

一足早く暴風域に突入している奄美大島の実家からはもう停電していると先程LINEが来ました。

 

 交通機関は運行停止、コンビニさえ計画休業になりましたが、透析はどうしても週3回の治療が欠かせません。

新型コロナが怖くともキチンキチンと来院されて、他の医療機関のように外来収入の激減がない代わりに、お盆であろうが、お正月であろうが、はたまた史上最大級台風が来ようが透析室を閉めるわけにはいかないのです。

海神は日曜日夜から月曜日午前にかけて鹿児島を直撃するという進路が予想されてから、月曜日の午前・午後・夜間と3クール行っている透析をどうするか話し合いがもたれ、日曜日に3クールとも行うことになりました。

台風で停電や断水になった場合に備えて、台風が過ぎ去った後ではなくやってくる前に済ませておかねばという計画です。

 

今朝はスタッフ皆6時に集合し、7時前から透析開始。非常事態体制で3時間に時間短縮し3クール回します。先程3クール目のグループが全て治療開始しました。終了時間と鹿児島市が暴風域に入る時間との追いかけっこです。今日は患者さんたちも台風に気を取られておられるのか、具合の悪い方や血圧の下がることもなく、透析室は落ち着いています。

 

地球温暖化って大変な問題だとは思いながらも、本当の深刻さを深く考えることはせずにいました。

海水温が今後も上がり続ければ、海神を上回る勢力の台風が来年も再来年も発生し、その度に“史上最大級の台風に注意“し、被害が広がることでしょう。

日々目の前の患者さんとの対峙に精一杯だと言い訳をし、誰か頭のいい人が地球温暖化を解決してくれるはずだと何もせず期待するだけの自分を反省しますから、ど

うか、今回だけは、何事もなく海神が通り過ぎますように。

 

NAHW九州支部 腎愛会上山病院 内科部長 嘉川亜希子

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