2018.07.30
中国旅行④ パンダ幼稚園見学
天野惠子理事長の投稿です。
観光2日目、いよいよ美子さん、美弥子さん待望の「臥龍パンダ研究センター、パンダ幼稚園」の見学です。
パンダは中国特有の野生動物で、チベット高原東部から四川盆地西側に大部分が生息しています。ジャイアントパンダは絶滅危惧種に指定されており、中国全土で23の自然保護区が制定されています。
パンダ保護区は1963年に設立され、1980年ユネスコの「人類と生物圏保護ネット」に指定され、2006年には「パンダが生息する地域」として世界遺産に指定されました。
絶滅に瀕したパンダの人工飼育、繁殖、病気予防、自然回帰、調査研究、生涯学習などを行うために設立されたのがパンダ保護研究センターで、四川省の臥龍、都江堰、雅安の3箇所にあります。
現在、パンダの生息数は人工繁殖も含め、1600頭余りまでに増加しています。
昔から野生のパンダは、気候や食物の便利さから四川省に多く、四川省は“パンダの故郷”と呼ばれています。2008年5月12日の四川汶川大地震で壊滅的損傷を受け閉鎖されていた臥龍中華大熊猫苑(中国保護大熊猫中心 神樹坪基地)ですが、2016年5月に新しく正式にオープンしました。場所は映秀鎮から臥龍鎮を抜ける省道303の道沿い、耿達郷です。
成都市からは約130km、道は全線舗装されていて、自動車で片道2時間の快適な旅です。
臥龍パンダ自然保護区は、高山地帯の生態系およびパンダなど希少価値・希少動植物を保護する、国家クラスの総合自然保護地区で、総面積20万ヘクタールです。山に囲まれた静かで涼しい場所です。夏には、避暑地として賑わっているそうです。
パンダ基地では、赤ちゃんパンダ、幼年パンダ、大人のパンダと年齢によって分けて育てられています。パンダの出産は夏とのことで、赤ちゃんパンダは昨年の夏に誕生した子供たち。一回り大きなパンダは1昨年に生まれた幼年パンダです。ここで生まれたパンダを野生に戻す試みが行われているそうですが、まだ一度も成功していないとのことです。
パンダの里、臥龍でも近年地域開発が活発で、パンダの生息する区域が以前より縮小し、さらに自然環境の変化により、パンダの餌である笹が急激に減少し、パンダの食糧難が野生のパンダに生存危機をもたらしているそうです。
可愛い写真をとくとご覧になってください。
*四川汶川大地震:2008年5月12日発生。
震源地は、四川省汶川県映秀鎮。8万7千人超の死者・行方不明者を出した。中国政府は、約290億円を投じて街を再建し、2018年現在、遺跡を訪ねる人で、観光地となっている。
静風荘病院 特別顧問、松戸市立病院 女性特別外来
医師 天野 惠子