天野理事長ブログ&スケジュール

2018.07.18

2人の藤井先生からの嬉しい便り

北海道と石川、2人の藤井先生の当団体HPでの報告に感銘した天野惠子理事長の投稿です。

ありがとう雲

 

【北海道】

51日のNAHWホームページ「女性外来の診察室から」に掲載された藤井美穂先生(カレスサッポロ時計台記念病院)の報告は圧巻でした。

 

2013年から毎年、日本骨盤臓器脱手術学会時に、時計台記念病院で行う手術ライブと札幌医大解剖実習室で行うカダバー実習を週末の3日間に行うセミナーとして継続してきたとの報告です。

 

藤井先生が、エストロゲン低下などによって脆弱化した骨盤底筋群をポリプロピレン製のメッシュを用い修復するTVM手術を開始したきっかけは、大学を辞めて病院を移動することになった時期に、腹腔鏡手術のブラッシュアップ目的に大坂中央病院婦人科に行かれ、その際に、現在の学会代表、泌尿器科竹山先生の術後診察に立ち合い、先生の術後の仕上がりが目からウロコだったからとのことですが、その後の藤井先生の頑張りには脱帽です。

 

2009年には年間261件と全国3位の手術件数となり、時計台記念病院がPOP治療の中枢施設となったそうです。

さらに安全な手術をめざし、骨盤解剖に熟知すべく母校の解剖学教室教授にお願いし、新鮮凍結融解カダバーの解剖をさせてもらい、仲間とともに続けてきたとのことです。

 

骨盤臓器脱治療は超高齢化社会を迎える日本の女性にとって重要な課題です。藤井先生の益々の活躍で、さらに、安全で確実な治療法が提供されることを願い、“あっぱれ”といわせて下さい。

 

【石川】

次に、石川県立中央病院の藤井寿美枝先生。66日の報告です。

 

今年の1月、新病院への移転に伴い、女性専用外来エリアという名称で、全国で初めて、診療室と検査室を一体的に配置した女性専用外来エリアを設置したとの報告です。

 

女性特有の病気を対象とする乳腺・内分泌外科と婦人科の診察室、これらの診療科に特に実施の多い検査であるマンモグラフィ検査室とエコー検査室を一体的にまとめて配置(1階)し、女性医師による総合的な診療を行う、女性診療科も併設されています。 

 

この試みのメリットは3つです。

①男性患者の目を気にせずに患者が安心して受診することができる

②検査室と診察室を隣接して配置するため、患者さんの移動がなくなる

③マンモグラフィーと乳腺エコーの両方を受診する際、その都度着替える必要がない

 

ここでは、女性専用外来としての人間ドックをも行っており、婦人科検診、甲状腺エコー、乳腺エコー、マンモグラフィー、腹部エコーがたった1時間で受けられるという夢のような話です。

 

「これだったら勤務や育児、介護などで時間がとりにくい女性でも受けられる!!」と感動しました。

是非、この方式が日本各地の病院に拡がって欲しいと思います。

 

お二人の藤井先生、女性医療の質の向上にむけての長い努力に心から感謝いたします。

 

性差医療情報ネットワーク 理事長

天野 惠子

埼玉県 静風荘病院特別顧問・千葉県 松戸市立病院女性特別外来医師

 

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