2016.09.29
女性目線の医療を考える①
ユーザー目線から、女性医療の価値を考えるシリーズです。
少子化対策・女性活躍推進の研究者が女性外来を訪問し、その意義を考察します。
9月某日、都内にあるNAHW東京支部会員の柴田美奈子先生の女性外来クリニック「桜医院」を訪問させて頂きました。
本シリーズは、ユーザー目線からも女性外来を考えてみよう、という試みです。
政府が6月に発表したニッポン総活躍プランの中でも謳われている女性活躍推進ですが、
女性活躍推進のためには、女性の健康管理にはこれまで以上に力を入れ、また、今までとは違った視点からも取り組まれなければなりません。
女性外来、というと少し前までは「それは産婦人科ですか?」という質問を受けるといった「女性外来バイアス」ともいえるものがありました。
女性と男性の臓器の違いといえば、確かに男性にはないお産に関わる部分が女性ならではではあります。
しかし、肝心な「女性ホルモン」に関わる部分のケアは全身に及びます。
そういう意味で、今回訪問した桜医院は女性の体全体をテーマとして診察されていて、とても好感を持ちました。
最近は土足でそのまま入るクリニックも非常に多いのですが、桜医院では入り口でまずは滅菌スリッパに履き替えます。
先生によれば
「冬場はブーツの女性が多いので、体組成の測定や運動療法時の靴の着脱に時間がかかる。そのため、この方がスムーズに診察できる。」とのことでした。
女性は男性よりも筋肉が少ないので、どうしても血流がよくありません。特に心臓から遠い下半身の冷えに男性よりも悩みます。
ですので、冬場のブーツは必須、手放せないという女性も少なくありませんね。確かに、スリッパへの履き替え診察は女性外来ならではの工夫だと思います。
また個人的には、免疫力の弱い乳幼児連れの女性などは(男性でもよいのですが、日本は女性が子どもをつれて歩く比率が高いですね・・・)、
院内が土俗厳禁で清潔に床が保たれているのは非常に嬉しいと思います。
幼児はすぐに床に手を着いたり、ごろりと転がったりするので、そういった面は非常に育児支援的な配慮でもある、と感じました。
(次号につづく)
㈱ニッセイ基礎研究所 生活研究部
JADP上級心理カウンセラー 天野馨南子