2016.10.11
骨髄異形成症 ④
天野惠子理事長の投稿です。
●治療と予後
骨髄異形成症の治療は5つに大別されます。
① 造血幹細胞移植
② 抗がん剤治療
③ 免疫抑制療法
④ ビタミン療法
⑤ 輸血などの支持療法
症状の軽い患者さんでは、無治療で経過観察することもありますが、この中で、唯一完治する治療法は①の造血幹細胞移植のみです。
私のパートナーの場合、理由は良くわかりませんが、最初から「骨髄移植は希望しない」と言っておりました。従来の骨髄移植は、一度全てのがん細胞を殺してしまい、そこにドナーから貰った新しい細胞を正着させるというやり方ですが、この方法は、患者自身の体に大きな負担をかけるため、高齢者は対象とされておりませんでした。
しかし、亡くなってからインターネットであらためて「MDS治療実績ランキング」を調べてみますと、東京都では東京都長寿医療センターが治療実績においてぬきんでており、そのホームページを開いてみると
「2006年11月より造血幹細胞移植を導入し、2008年11月に日本臍帯血バンクネットワーク登録病院に認定され、他病院では施行していない、高齢者血液悪性疾患に対する臍帯血ミニ移植を積極的に施行しております。また、高齢者に優しい、全人的医療を実践しております」
とあり、もっと早くに私自身が医療施設の選択に関わるべきだったと悔いているところです。
本人が血液内科医であるという事実があり、治療選択については本人に任せてしまったことが悔やまれます。
今更言っても遅いのは判っているのですが、時計の針を逆回転できるものなら、そうしたい!!!
予後は不良で、予後(編者注:人生を全うする期間)が良好であるといわれる不応性貧血で生存年数は約5年。予後不良のタイプでは1年程度といわれています。