2016.09.08
骨髄異形成症 ①
天野惠子理事長の投稿です。
2年ほど前からパートナーとして一緒に歩き始めた彼(血液内科医)が、体調に異変を感じ始めたのが、2014年12月。
盛んに首が痛い、腰が痛いと訴えるようになり、ロキソニン、テルネリンなどを服用し始めた。
血液検査では今までヘモグロビンが14g/dl台であったのが、12g/dlへと低下しており、「ロキソニンの頻繁な使用による副作用かな」などとコメントしていた。たまたま、高血圧で内科医に掛かっており、2ケ月毎に血液検査が行われていたため、貧血が徐々に進んでいることが明らかになり、身体が重い、早く歩くと息が切れるなどの症状も見られたことから、まず、「がんの存在」が疑われた。
2015年7月、T病院に入院し、消化器・肺などのがんの検索が行われ、いずれも白。最後に血液の病気が疑われ、骨髄穿刺が行われた。その結果、8月に骨髄異形成症ハイリスク例と診断された。
当時のヘモグロビンは10.4g/dl、白血球3700、血小板8.7万、CRP0.8。その後の進行は速く、12月には貧血からくる心不全を生じ、2016年の年始早々にJ大学病院への入院となった。
抗がん剤「ビダーザ」が開始された。第1回目の7日間投与は、白血球の増加が認められ(500から一気に2500まで上昇した)、その後の経過に期待が寄せられた。
大学側は入院の継続を希望されていたが、本人の強い意志で、第3回目終了後は、自宅から通いながらの外来におけるビダーザの投与(4週間の休薬後、5日間投与)と輸血(月、水、金)が続けられた。治療経過は芳しくなく、7月11日、恐れていた肺炎との診断で緊急入院となった。
入院時のヘモグロビンは10.6g/dl、白血球600、血小板3000、CRP11.6。病状は、高熱が続き、口腔内の痛みのために食事がとれず、全身がむくみ、血小板の減少は進行し、吐血・下血、抗生剤によると思われるStevens-Johnson症候群が併発するなど、予断を許さない状態が続き、8月15日未明に帰らぬ人となった。
嵐のように現れ、笑顔と優しさを惜しみなく降り注ぎながら、病に倒れ、嵐のように去っていった彼。
いったい、骨髄異形成症とはどんな病気なのだろうか。