2015.03.10
果実アレルギー①
桃は大好きだけれど、食べると唇や、舌、のどの奥がかゆくなるという方がいます。
果物アレルギーですね。
桃は大好きだけれど、食べると唇や、舌、のどの奥がかゆくなるという方がいます。
果物アレルギーですね。
果物アレルギーの症状は、原因となるたんぱく質が、消化液で分解されることが多いので、通常は口腔内のアレルギー症状に留まり、全身症状を伴わないことも少なくありません。
しかし、場合によっては、顔がむくむ、蕁麻疹、腹痛、下痢、のどが詰まる感じ、花粉症類似の眼・鼻の症状などを来たすこともあり、もっと激しい場合には気管支喘息発作やアナフィラキシーショックをも引き起こし、救急車が必要となることもあります。
果実アレルギーは、食物の中では、卵、牛乳、小麦についで4番目に多いと報告されています。
原因となる果物は
①モモ、リンゴ、ナシ、サクランボ、イチゴなどのバラ科の果物
②メロン、スイカなど瓜科の果物
③オレンジ、レモンなどミカン科の果物
④その他 キウイ(マタタビ科)、バナナ(バショウ科)、パイナップル(パイナップル科)
など、何でも原因となります。
同じ分類のどれかの果物にアレルギーのある場合、同じ科に属する果物はアレルギーを起こしやすいので、注意が必要です。
モモ、リンゴ、キウイ、バナナは、厚生労働省による「特定原材料に準ずるもの」として、加工食品に含まれている場合に表示を推奨されている20品目の中に含まれています。
近年、花粉症が果実アレルギーとの「交差反応」を示すことがわかり、特定の花粉症との関連性も明らかになってきています。
たとえば、シラカバ花粉症では、約半数の人に何らかの口腔アレルギーが見られ、バラ科やマタタビ科の果物に対してアレルギー反応を示します。ブタクサ花粉症の人は、ウリ科の果物や、バナナにアレルギーを生じやすく、カモガヤ花粉症の人は、オレンジのアレルギーと関係すると言われています。
花粉症の患者が増加するに連れて、果実アレルギー患者も増えています。
※交差反応とは:
抗体は抗原のみと選択的に結合するが、抗原の化学構造に類似する物質にも誤って結合すること。
※厚生労働省による「特定原材料および特定原材料に準ずるもの」とは:
食物アレルギーを引き起こすことが明らかになった食品のうち、症例が多いものや症状が重篤なもの7品目を「特定原材料」、過去に一定の頻度で健康被害が見られた20品目を「特定原材料に準ずるもの」として、加工食品に表示が義務付けられている。
特定原材料:
卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに
特定原材料に準ずるもの:
オレンジ、リンゴ、キウイフルーツ、バナナ、もも、くるみ、大豆、マツタケ、やまいも、
牛肉、鶏肉、豚肉、あわび、いか、いくら、さけ、さば、ゼラチン、ごま、カシューナッツ