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理事長からのご挨拶

理事長からのご挨拶

性差医療情報ネットワークは2002年に任意団体として立ち上げられ、2006年7月にNPOに改組されました。ネットワークが最も力を入れていることは、一般の方々への性差医療情報の発信ならびに性差医療の実践の場として、2001年に初めて鹿児島大学で立ち上げられ、またたく間に全国に広がった、女性外来を担当する医師への教育機会の提供です。私たちは、各医療分野から出されるガイドライン等を絶対的に正しいものとして、医療の提供を行ってきましたが、1980年代米国で「女性は小さな男性ではない」という声が上がり、女性の医療の見直しが始まりました。それまでは、多くの医療機器、医薬品等の治験が男性を対象として行われ、その結果が何の迷いもなく、女性にもあてはめられていました。「それはおかしいのではないか」と気づかれた方は、米国のDepartment of Health and Human serviceのEdward Brant博士でした。私は40歳のときに、現在微小血管狭心症とした認知されるに至った更年期女性の狭心症に不思議を感じたことがきっかけで、米国での性差医学の台頭に気づきました。1999年、横浜で日本心臓病学会が聖マリアンナ医大の村山正博先生を会長として開催された際に、シンポジウム「女性における狭心症」を企画させていただく機会に恵まれ、以降、日本での性差医学に関する情報発信を始めました。その後、2002年に性差医療医学研究会と性差医療情報ネットワークを立ち上げ、前者は医学教育と研究の推進を目的とし、後者は医療の現場での、性差を考慮した医療の実践を目的として活動を開始しました。女性外来は、圧倒的な女性からの支援とともに、政治的な支援をも得て、東京女子医大「女性の生涯健康センター」を筆頭として各県に女性外来が誕生しました。県、市の肝いりで立ち上げられながら、性差医療の理解が不十分なため、廃止・閉鎖に追い込まれる施設がある一方で、相変わらず受診は数ケ月待ちという女性外来も多く、新たな女性外来の設立も未だ続いております。女性外来では、女性患者の方々が抵抗なく受診でき、女性であることを考慮に入れた適確な医療アドバイスならびに治療を受けることができるよう、私たち医師が患者と共に考え、多くの連携プレーを駆使して患者さんに最善の対応することを目指しています。初診時に多くの時間を割いていることが大きな特徴です。

また、性差医療情報ネットワークは、毎年、3月の女性の健康週間に市民公開講座を行っております。女性の生涯にわたる健康課題について、毎回、分かりやすくて且つ有益な講義を専門家をお呼びして開催しております。2014年度は3月2日に「中高年の目の病気」について、木村眼科医院院長 木村内子先生にお話しいただきました。実際の白内障手術のビデオ画像等を交えながら、お話しいただき、フロアからの質問も非常に活発でした。

今回性差医療情報ネットワークでは、更なる性差医療情報の発信と強力なネットワーク作りをめざしてホームページを新しくいたしました。以前のホームページにくらべ、一般市民の方々に性差医学・医療について知っていただくことを前面に押し出した改訂となっています。理事長によるブログ、「女性外来の診察室から」等新しい内容が盛り込まれています。皆さまの健康維持、疾病予防のためにお役に立つことができれば幸いです。

2014年7月吉日
特定非営利活動法人 性差医療情報ネットワーク  理事長 天野恵子

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