女性外来10年史

性差医療情報ネットワーク(NAHW)九州支部3年の歩み

性差医療情報ネットワーク(NAHW)九州支部3年の歩み

メンバー:(世話人)河野宏明(佐賀大学医学部循環器内科准教授)
清田真由美(医療法人社団清心会春日クリニック院長)
田中裕幸(医療法人ニコークリニック院長)
中川幹子(大分大学医学部臨床検査診断学診療教授)
松木貴彦(九州歯科大学顎口腔欠損再構築学分野)
嘉川亜希子(鹿児島大学大学院循環器・呼吸器・代謝内科学特任助教)
(五十音順)

性差医療情報ネットワーク九州支部は、早くからその設立が望まれており、検討も重ねられておりましたが、九州の互いの距離がありすぎるという地理的条件から、設立には至っておりませんでした。
女性外来は、全国に先がけて国立大学として初めて、鹿児島大学鄭教授の教室に設立されております。
鄭教授は性差医学医療学会の理事長、NAHWの理事を併任されております。鹿児島大学の女性外来の運営を中心的に行い、性差医学医療学会の事務局で様々な取り仕切りをされているのが嘉川亜希子先生です。河野宏明先生は、虚血性心疾患における性差の論文が世界で高く評価を受けておられる先駆的な先生です。
田中裕幸先生は開業医でかつ脂質異常症の性差に関する研究、論文が多数で、メディアでの活躍も目覚ましい先生です。中川幹子先生は、漢方を駆使して、大分大学での女性外来を立ち上げ、循環器生理検査に注目した性差の研究にもご熱心で、学会賞等も受賞されております。松木貴彦先生は、歯科医の立場から性差の重要性を論じ活動しておられるパイオニア的な先生です。1999年より更年期女性を集めて”おりひめの会“と名付けた勉強会をしていた清田は、天野先生のご指導と諸先生方に刺激を受け2003年に熊本で初の女性外来を立ちあげました。性差医療に関心ある人材の集まる九州に一日も早く支部をとの思いの強いこの6名が集まり、新幹線の開通を視野に2009年11月に設立準備室を開設いたしました。
初回のセミナーは、清田が世話人として、2010年5月に熊本で開催することができました。初回のため、天野先生にも遠路足をお運びいただき性差医療の歴史から、性差医療の考え方まで幅広くご講演いただきました。学会で上京中にもかかわらず鄭教授は学会途中で戻ってこられご参加いただき、天野先生の座長をお引き受け頂きました。感激でした。熊本大学薬学部の中川和子教授は、ご自身の臨床医としての経験に積み上げられた薬理作用における性差のお話で説得力がありました。予想を超え120名の参加者で盛会に終えることができました。“性差医療の意味が分かった”“性差医療の大切さが初めてわかった”との参加者の感想に手ごたえを感じました。
2011年5月には嘉川先生が世話人を務められ、鹿児島で第2回のセミナーが開催されました。特別講演にはアンチエイジングの第一人者、同志社大学アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授をお呼びし、熱のこもった講演をいただきました。世話人の中川先生、河野先生が教育講演をされ、内容の濃いセミナーとなりました。会場を埋め尽くす88名の参加者は、大変満足されておりました。
2012年5月の第3回セミナーの世話人は佐賀の田中先生が担当しておられますが、新幹線でのアクセスを考慮して、福岡での開催を計画中です。
県を超えた九州というエリアでの後援依頼ははじめ手続きが煩雑で時間がかかりましたが、鄭教授、天野恵子先生に相談役をお引き受けいただき、お力添えをいただいたおかげで、協賛企業の協力が得られ会の運営が進んでまいりました。新幹線は開通したものの、現在のところ県を超えての広報の周知が難しく、

いささか壁を感じているのが現状です。現在のところは地域ごとの当番世話人制とし、世話人主導のもと、会の運営をおこなっております。地域の特性を生かしながら、草の根的に性差医療を広げていきたいと思います。質の高い、最新の性差医療情報を短時間に、身近に得ることのできる会に発展してゆきたいと思います。その結果、性差医学医療学会やNAHWの会員が増え、性差医療、医学が一般の方にも広がることを目指しています。今後、本支部の担うべき役割が変化するにしたがって、会の組織のありかたも見直していこうと世話人で話しております。今後ますます発展が期待される九州支部です。皆様のご支援と、ご協力をよろしくお願いいたします。
(文責 清田)

 

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