女性外来の診察室から

No.70 クラウドファンディングご協力のお願い

天野惠子理事長からの皆様へ、https://readyfor.jp/projects/52377 へのご協力のお願いです。

ハートをもつ男女

 

私は、循環器科医として臨床を続ける中で、日常見かける多くの疾患で、その発症時期や経過、診断、治療において性差があることを40歳代のころから気づいていました。そのころ米国では、すでに1994年から2003年までの計画で総額6億2千万ドルの予算が組まれ、中高年女性を対象としたWomen’s Health Initiative研究プロジェクトが進行中でした。1999年第47回日本心臓病学会学術集会で、大会会長の聖マリアンナ医科大学循環器内科 村山正博教授の強いご支援により、私はシンポジウム「女性における虚血性心疾患―成り立ちからホルモン補充療法まで」を企画することができました。翌年には、医学書院より同名の医学書を発行させていただけました。幸いにも、多くの先生方の協力を得て、日本人男女における虚血性心疾患の実態を明らかにすることができました。この本がきっかけで、全国の循環器内科の仲間や千葉県知事堂本暁子さんなどの、大きな協力を得て、「性差を考慮した医療―女性外来」が立ち上げられ、瞬く間に全国へと拡がっていきました。

2002年には、日本性差医学医療学会の前身である性差医療医学研究会を立ち上げました。男女共同参画を進めていくには、女性の置かれている環境を考慮した医療が必須です。また、明らかに男性優位の社会を変えていくための運動も必要です。そのためには、女性の健康に社会的環境の影響がいかに大きいかを皆に知っていただくための医学研究も欠かせませんでした。

2008年に性差医療医学研究会は日本性差医学医療学会となり、男性・女性の双方のヘルスケアの問題点を追及し、変革することを目的としました。

医療者が、自ら専門医・指導士として活躍する分野に加え、さらに性差医学・医療を学ぶのは、医療の質や精度をさらに向上させ「ひとりひとりに適した医療」を皆様へお届けしたいという思いからです。

性差医学・医療の活動を始めて約20年。私も、今年で数えの80歳となりました。2002年から私と一緒に研鑽し続けて、日本全国で頑張っていらっしゃる先生方も還暦を迎える年齢となりました。本学会のミッションである性差を意識したヘルスケアを確立するためには、次の世代の育成が必要です。

 

2021年2月6日~7日まで、東京大学大学院医学系研究科 加齢医学 秋下雅弘教授を会長として第14回日本性差医学・医療学会学術集会が行われました。その際に、本学会の新しい試みとして、性差医学・医療認定制度の発足がアナウンスされました。医療者が新型コロナ感染症対応も含めた激務の中で、体制を整える人件費に加え、新たな分野を研修するにはWeb やオンデマンドも利用した研修システム構築が必要です。しかし大きな学会とは異なり、私共のような小規模の学会ではそうした研修システム構築への資金が足りません。 

この制度の発足にあたり、同会としてクラウドファンディングを立ち上げました。運営資金の一部を、是非、皆さまにご支援していただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。下記のURLから支援に参加することができます。

https://readyfor.jp/projects/52377

 

 

性差医療情報ネットワーク 理事長 天野 惠子

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