2001年3月に千葉県で堂本暁子さんが知事に初就任しました。
堂本暁子さんはその就任と同時に「性差医療」への取り組みの姿勢を明確にしました。
2001年3月に千葉県で堂本暁子さんが知事に初就任しました。
堂本暁子さんはその就任と同時に「性差医療」への取り組みの姿勢を明確にしました。
千葉県の健康づくりの実施計画「健康ちば21」は、堂本さんが知事に就任したときには既に出来上がっていて、最終的に知事が決済する段階になっていました。
統計を駆使した現状分析、今後の課題、政策展開の方針など、非常によくまとまっていましたが、残念ながら性差の視点が全くないに等しかったのです。この計画案が実施されるのは2002年から2011年までの10年間であり、知事はこの報告書の解析を全て、性差の視点を入れ、男女別の解析にしなおすことを命じました。
修正が加えられた「健康ちば21」の冒頭には、今後の政策展開の方針が次のように明記されました。
「近年、生涯を通じた女性の健康づくりの観点から、安心して子どもを産み、ゆとりを持って健やかに育てるための環境づくりや、性差を踏まえたきめの細かな保健医療対策が必要となっています(中略)。全国に先駆けてGender-specific Medicine の視点から女性の健康づくりと医療に関する施策を進めます。つまり、計画に母子保健や子育てから更年期、向老期、高齢期などにおける課題を明らかにし、例えば女性専用外来を充実させるなど、その改善に取り組んでまいります」。
また、「策定の背景・主旨」に「女性の特性を踏まえた健康づくりと医療」が加えられ、「重点課題と取り組みの方向」として、
①女性専用外来など女性医療の確保
②女性の健康に関する疫学調査の実施
を上げ、「千葉県の健康目標」に新しく「女性の医療と健康づくりについて」の一項目が追加されました。
2001年9月には、性差医療を県の施策として、日本で初めての女性外来、千葉県立東金病院に女性外来が立ち上げられました。
その後、千葉県における女性外来は、県からの予算補助を得て、県立3病院、その他の大学、公私立病院7病院に立ち上げられたほか、予算補助を受けずに単独で開設した医療機関も少なくありません。
私は、千葉県立東金病院に女性外来が立ち上げられた当初から女性外来を担当してきましたが、担当して3ケ月経った12月に千葉県の女性外来を担当する女性医師を対象とした漢方の勉強会を始めました。
女性外来を受診する女性の多くが西洋医学では太刀打ちできない多くの愁訴を抱えていることに気づいたからです。以来、漢方の勉強会は年に少なくとも6回は開催され、開催地も全国に広がっています。
次回からは、この千葉県立東金病院で出会った印象深い症例について紹介をいたします。
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