天野理事長ブログ&スケジュール

2018.02.07

第11回日本性差医学・医療学会学術集会

天野惠子理事長からの報告です。

ハートをもつ男女

 

2018120日、21日の両日にかけて、第11回日本性差医学・医療学会が、九州大学大学院医学研究院保健学部門 樗木晶子教授を学会長として、福岡市パピヨン24で開催されました。

 

テーマは「性差の源流に遡る(さかのぼる)多様性への道程」。まさに、日本性差医学・医療学会発足時の理念です。

 

そのことを思い起こさせてくれたのは、公開シンポジウム「性差生物学の最近の進歩~進化の過程での性差」です。

 

動物には、明瞭な性差が存在します。動物はいつから性差を持つようになったのか?

それは、動物が有性生殖を獲得したときに遡ります。有性生殖が生まれて遺伝子の混ぜ合わせが出来るようになったことで、多彩な生物への進化が始まりました。

 

単細胞生物から多細胞生物が出現することで固体の複雑化・大型化への道が開けました。動物は「個」を獲得しましたが、死への運命をも余儀なくされました。

生命の誕生を振り返りながら、現代における「性」のあり方を見つめる。私たちが、普段忘れている大事なことに気づかされたシンポジウムでした。

 

集会は、樗木先生の緻密なプログラム構成と魅力的なテーマの立案、参加者増員の工夫などで成功裡に終わり、樗木先生からは「200名を越える参加者があり、多くの参加者の方からご講演がすばらしかったというメッセージを戴いております」とメールを頂きました。

 

日本性差医学・医療学会下川理事長は、九州大学医学部で樗木先生と同期であり、樗木先生の底力については、十分に知られており、その上で今学会の会長を樗木先生にお願いしたそうですが、多くの九大関連の先生がたが彼女の応援に駆けつけてくれたようです。

 

水田祥代先生(日本の医師、医学者。九州大学名誉 教授、学校法人福岡学園理事長。専門は小児外科。旧帝国大学系の医学部で初の 女性外科教授)いわく、「私のところの教室員も“樗木先生のノートで試験を受けた”と言ってた」とのことでした。

 

今回の学術集会は、樗木先生の長年の医学への姿勢と努力が結晶し、また、学会としての一致したまとまりや今後に向けての意気込みが感じられた素晴らしい学術集会でした。

小さい教室で準備をしてきたご苦労と共に、学術集会が成功裡に終了した閉会の挨拶で、樗木先生が感極まり、おもわず流された涙には感動しました。

 

本当に御苦労様でした。そして有難うございました。

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