天野理事長ブログ&スケジュール

2017.02.14

宵越しの茶は飲むな

天野惠子理事長のコラムです。

 

お仏壇のお茶を毎日入れ替えながら、そう言えばよく「宵越しの茶は飲むな」というけれど、どうしてだろうと思い調べてみました。

 

この言い伝えは、お茶の液体ではなく茶葉のことを言っています。一晩置いたお茶、つまり一度出して時間の経ったお茶の葉でいれたお茶は飲まないほうがよいという意味です。

 

老化は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素が活性酸素に変化し、その活性酸素によって細胞が酸化することで進みます。

緑茶にはカテキン、ビタミンC、ベータカロテンなど抗酸化作用の成分が多く含まれ、その他にもフラボノイドなど健康と美容に寄与する成分がもたらす効果が、科学的に明らかになってきています。

 

「お茶好きは老けない」という諺もありますし、還暦(60歳)、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)に続いて緑寿(108歳)、皇寿(111歳)といいますように、お茶は長寿を祝うめでたい言葉にもなっています。

108歳の緑寿は茶という字を分解すると草かんむりが十と十、つくりの部分を分解すると八十八、あわせて108歳とのことですが、鎌倉時代にはお薬として飲まれていたお茶の効能が頭にあってのことでしょう。

 

美味しくいれたお茶は心を癒してもくれます。

ところが、1煎目、2煎目を出して、急須にお湯が残らぬように出し切って、テーブルの上に置いた急須のお茶にどんな変化が起こってくるのでしょう。

 

茶葉の中には、殺菌作用に優れたカテキンが多く含まれる一方、腐敗しやすい性質を持つタンパク質があります。タンパク質は、玉露100gには29.1g、抹茶100gには30.6g、煎茶100gには24.5g含まれています。

お茶を入れると水溶性のカテキンはお茶の液の中に溶け出していきますが、タンパク質は水に溶けないため茶葉に残ります。1煎目、2煎目とカテキンが少なくなります。

その状態で時間が経つと、殺菌作用のあるカテキンが流れ出してしまった急須の中で、やがてタンパク質が腐敗を起こし、食中毒などを起こす要因となります。特に高温多湿の夏場は数時間で変質しますので、要注意です。

日本茶

 

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