2016.08.17
女性外来の主訴№1はめまい
山梨県立中央病院 女性専門科医長 縄田昌子先生の投稿です。
女性専門外来を受診する方の訴えは複雑でわかりにくいことも多く、どこからアプローチすべきか迷うことがあります。
これまでも内科外来では聞かない訴え方がたくさんありました。
ほほが落ちる感じがする、身体がピキピキする、背中がもこもこする、下半身がジーンとする、などなど。
これら多くの症状の中、外来主訴№1に輝いたのは「めまい」でした。
6月~7月の初診患者の主訴も気圧の変化の影響もあるのか、めまいが非常に多い印象です。
今回、受診者1663名の主訴を代表的な訴え1つにしぼって集計しました。
1つにしぼる作業もけっこう大変ではありましたが、1人でいくつも訴えているのでデータに偏りが出ることを考慮し1つで集計しました。
№1のめまいにしても、訴え方は血の気がひく、ふらふらする、ふわふわする、グラグラする、地震のような、船に乗っているような、と患者さんの表現はいろいろです。
第一位 めまい・ふらつき 130人
第二位 頭痛 109人
第三位 気分の落ち込み 94人 倦怠感 94人
第五位 ほてり・発汗 92人
以下、不安(87人)、月経前の不調(77人)、不眠(75人)、動悸(62人)、身体の痛み(62人)、月経不順(55人)、イライラ(48人)、のどの違和感(44人)、気力がない(41人)と続きます。
女性外来特有かなと感じた主訴は、冷え(36人)です。冷えを主訴に他の診療科はなかなか受診しないと思います。
また思ったより少なかった主訴は、むくみ(17人)、舌の痛み(9人)です。ただむくみを主訴に受診した方にクッシング症候群が2人、クッシング病が1人いたのでむくみはあなどれない、という印象です。
主訴を診療科別に分類すると、内科522人、婦人科298人、精神科387人、それ以外457人でした。やはり内科医担当の女性外来の特徴がでているのでしょうか?
そして転帰(編者注:病気が経過して他の状態になること)はというと、1090人(80%)は軽快し、129人(9%)が中断、140人(11%)が専門医に紹介しました。
いろいろな訴えで来院されますが、データ上8割の方はよくなっている状況です。
山梨県立中央病院 女性専門科医長 縄田昌子
http://www.ych.pref.yamanashi.jp/shinryo/jyosei.html